介護の仕事で必要な働くときの心構えとは
どんな職種であっても、仕事ごとにふさわしい心構えが求められます。これは介護の仕事でも例外ではありません。特に、介護職は対人援助の専門職であり、働く際に必要になる身につけるべき心構えが幾つかあります。そのうち最も重要なものが、共感的理解です。この心構えがなぜ介護の仕事で必要になるのか、まず介護の意味を知る必要があります。介護福祉士法では、介護の利用者とは身体上又は精神上の障害を抱え、そのために日常生活の営みに支障をきたしている者を指します。そして、その者が日常生活でなるべく支障をきたさないように、不足した部分を補いながら円滑な生活に近づける支援こそが、まさに介護という行為なのです。ここで言う日常生活とは、起床から食事そして入浴や排泄に至るまで日常生活の全般を指し、一般の健常者と何ら変わりません。
ただし、一口に日常生活と言っても、長年にわたり生活してきた地域の文化や慣習、そして個人的な好みや価値観などが複雑に絡み合って、極めて個性的なものです。つまり、介護をするということは、一人ひとり異なる日常生活を補って、その人らしい生活の継続を支援することに他なりません。そこで、介護の際に必要不可欠になるのが、共感的理解です。極めて個性的な日常生活では、利用者にとって他人には知られたくない、あるいは見られたくない、触れてほしくないこともあるはず。そのため、介護も信頼できる人に頼みたいのが心情でしょう。介護職は利用者の日常生活やそれを取り巻く環境を理解し、その心情に共感した上で、利用者との信頼関係を構築しなければなりません。つまり、共感的理解ができないと、利用者にふさわしい円滑な生活へ近づけることは不可能なのです。